PHOTO.FuruyaChikako

 

【安楽寺】
開山800年の歴史ある安楽寺は平成13年より本堂の屋根の葺き替え工事が行われており大量の古瓦がその役目を終えました。
何しろ何百年にもわたり阿弥陀様をお守りしてきた有り難い瓦なのでなんとか再利用を、と考えておられたとのこと。古いもの
では江戸時代後期といいますから約200年前の瓦もあります。この度の展覧会ではその古瓦と土佐漆喰を使って沖縄の伝統芸術
である漆喰シーサーを生み出そうというのです。シーサーとは、ルーツを古代オリエントに遡り絹街道を渡って中国より沖縄に
もたらされたといわれている獅子像です。獅子像は沖縄で独自のシーサーとして進化していきます。災厄を防ぎ火難から人々を
守る守護神として、また福をもたらす縁起物として今でも広く親しまれています。なかでも漆喰シーサーは赤瓦屋根の上で、時
には勇壮にときにはユーモラスな姿形で家を、人々を守っているのです。

【ギャラリー花いろ】
---かつて寺は芸術や文化の発信、交流を担う場でもありました。安楽寺により運営され、哲学の道沿いに位置する現代的な魅力
あるギャラリー花いろ。この場を借りてお届けするのはMITSUOシーサー美術館のミュージアムショップ、シーサーマンションか
らシーサーグッズの数々。すべて宮城光男によるオリジナルデザインのものばかり。漆喰シーサーはもとよりTシャツ、手拭い、
アクセサリー、そして宮城光男が提案する新しいエコの形、ACO(アコ)の概念から生まれたトートバッグ・ACOバッグにいたるま
で、もちろんすべてにシーサーがデザインされています。 小さなシーサーもひとつひとつすべてに職人の手が入っています。グッ
ズという商品であると同時に職人の手技、そしてシーサーというプリミティブなアート。そんな風に手にとって頂けたとしたらこ
のシーサー達も嬉しいはず。是非、秋の京都で暖かな沖縄の風を、そしてシーサーの呼吸を感じてみてください。-----------展覧会DMより

安楽寺ホームページ-ANRAKU-JI WORLD-

 

 

煩悩大爆発展
2005.11.16〜12.4 at KYOTO ANRAKUJI/galleryHANAIRO


 

人間の煩悩は108あるといわれています。その煩悩の数と同じ数のシーサーが生まれました。
京都で、安楽寺で生まれた108体のシーサー達。それぞれが個性を持ち、そこに存在するのです。
煩悩とは己の心の問題であるとされます。静かに向き合う内にもしかするとシーサー達が何かを語
りかけてくるかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

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八百万シーサー展
2006.11.14〜11.26 at KYOTO ANRAKUJI/galleryHANAIRO


 

 

 


 

 八百万(やおよろず)、数え切れないほどたくさんの、という意味である。
安楽寺は今年で開山八百年。ゆえに天才光男はシーサーを八百体、表現することにした。古来、人々は天地自然の
森羅万象に不思議な気配や存在を感じて生きてきました。海や山河、風、雷や鳥獣、草木、岩石などあらゆる自然
界に存在する気配。人にとってそれらはすべて尊く、ときにおそろしいものであり、人智のとおく及ばない何か計
り知れない力を感じずにはいられない。それらを畏れ敬う心が神や仏を見いだし、天地自然への謙虚さを育みそし
て共生する心を生みだしていきました。

  琉球の自然界からの恵みで作られる漆喰シーサー。琉球漆喰はサンゴ石から、赤瓦は島の土から。それらに人の
手が加わり、さまざまな願いが込められて生みだされていきます。シーサーは魔除けであるといわれます。しかし
沖縄では古来、シーサーは魔物(マジムン)を除けるのではなく浄化する力があるといわれています。魔物を除け
てしまうと余所へ行ってまた悪さをするので浄化してしまってこの島で仲良く暮らせばいいさぁ、という考え方な
のです。他所から来たものや人との関わりを尊び、混じり合いながら独自の文化に取り入れていく所謂「チャンプ
ルー」の精神に繋がっているようでもあります。

 また、今回の展覧会では単にシーサーを見て頂くだけでなく、ひとつの感覚を思い起こしてもらえれば、との願
いから作家が日頃から提唱しているACO(アコ)というものを表現していきます。

  古からしなやかに自然と共生してきた琉球、沖縄ですが昨今、環境破壊も急速に進んでいます。生活の為に自然
から様々なものを採り入れていくのもまた自然なことなのかもしれません。しかし現在そのスピードも方法も、自
然環境にとって脅威になっているのも事実です。そんな現状にアーティストとして何か出来ることを、との考えか
ら生まれたのが『ACO(アコ)』。ACO(アコ)とはアート(Art)とエコロジー(Ecology)を融合(Art×eCOlogy)さ
せた造語。環境保護という、ともすれば堅苦しくなりがちな言葉ではなく、アートを介して日常的に楽しみながら
それらが結局は自然環境にちゃんと還元されていくためのかたちであり、考え方なのです。特別なことではなくて
アートそのものさえも自然のサイクルの中にあるもの、として普通に楽しんでいきたい。アートとは感じる心。
あるいは自然の森羅万象に八百万の神や仏を感じる心。この八〇〇体のシーサーたちからその心をあらためて感じ
て頂けたら幸いであります。

 

 

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